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毎年正月に必ず「思う」ことがある。
たぶん皆さんも思っているんじゃないかなあ〜と思うんだけど、誰からも聞い
たことがないし、聞かれたこともない。なので、今から書くことには自信がな
い。僕だけが思うことなのかもしれない。でも、ひょっとしたら「あんた、そ
れを言っちゃぁおしまいよ!」という類のことなのかもしれない。勇気がいる。
でも、書いちゃう。
「子供の写真の年賀状って、もう・・・yamete!」
あ〜あ、言っちゃった。嫌われるっ。
我が家には約80通ほどの年賀状をいただく(多いのか少ないのかはわからな
い)が、そのうちの7割くらいは子供の写真なのだ。
元旦に何十通か届く。めくってもめくっても子供の写真。
3日に十何通か届く。これまた大半は子供の写真。翌日もその翌日も。
6日ごろに、届いたすべての年賀状を見直してあまりの多さに「思う」わけで
ある。「なんで、みんな子供の写真なの?」と。
子供の写真以外の、例えば富士山の絵とか版画の年賀状とかが届くと、何と言
いましょうか、回転ずし屋でプリンとかアイスとかジュースの皿ばっかり流れ
ているところに突如新鮮なマグロが数皿登場したみたいな、なんとも嬉し悲し
い気分になっちゃったりするわけでございますよ。
どうなんでしょう?皆さんはどんな気持ちで見てらっしゃるんでしょう?
子供の年賀状を出す側の気持ちもわからないわけではない。
たぶん田舎のおじちゃんやおばあちゃんや親せきに子供の成長を見せたいため
なんだと思う。
でも、それ以外の人にとっては・・・。
たまにいるじゃないですか、聞いてもいないのに家族や子供の話をする人。
あれは会話のルール違反、礼儀違反だと思うんですよね。
自分の家族や子供の話というのは、あくまで聞かれたときにする。そういうも
のだと思うんです。
もちろん長い付き合いで家族ぐるみのお付き合いをしている場合は別です。
会ったこともない話したこともない家族の話をされても、僕はひきつった作り
笑いをすることしかできない。その感覚にちょっと近いんですよね、子供の年
賀状って(家族全員で写っているのはちょっと別)。
あ〜あ、嫌われるぅー。距離置かれるぅー。
でも、ここまで書いておいてなんなんですが、実は正直言うと、こんな風に「
思う」自分に僕は不安や怒りみたいなものをおぼえているんです。
成熟していない。自己中心的。冷酷。いろんな嫌な言葉が心に渦巻くんです。
葛藤するんです。
僕は子供の写真が写った年賀状を見ることで、そういう心の状態になることが
嫌なのかもしれません。
最近ある人のブログで、こんな言葉が心に突き刺さりました。
「自分に余裕がないと、他者への想像力を失ってしまう」
そういうことなのだろうね。。。。今の僕には心の余裕がないんだろうね。
話は変わるが、僕には24歳と26歳の息子がいる。
昨年秋、その二人の息子を連れて北海道の実家に行った。僕の場合、ちょっと
事情があって、永い間息子達を実家に連れていくことができなかった。
実に約20年ぶりのじいちゃん、ばあちゃんとの再会であり、親子旅行であった。
成人した息子達との旅行なので、僕は実家に帰る前に札幌のすすきのを連れま
わすことにした。親父として、人生の先輩として、「流石!」というところを
見せつけねばと思ったのだ。
まずは本場ジンギスカン。食い放題飲み放題ではなく、生ラムのおいしいお店
で「おらぁ、好きなだけ食え!」。
次に海鮮の美味しい居酒屋。チェーン店居酒屋では味わえない新鮮な魚介類と
ストップというまで盛り付ける「つっこ飯(いくら丼)」を
「おらぁ、好きなだけ食え!」。
そして3軒目は本日のメインイベント!
「LaLaToo」というニューハーフショークラブ。
親子3人ニューハーフっ。いや、親子3人でニューハーフクラブっ!。
綺麗なお姉さん達、いやお兄さん達、いやニューハーフ達がいっぱい。
「えぇぇー、親子なの?素敵ぃぃぃ」、「あら、弟さん背高いわね、素敵ぃ、
歳はいくつぅ?」、「お兄ちゃんは何やってるの?、えっ?デザイナー?、
あらいやだカッコいい」。。
息子たちの周りに続々と集まるお姉さん、いやお兄さん、いやニューハーフっ。
僕の前にはおばさんニューハーフっ。90分間、からかわれ、ショー見て、抱
きつかれ、息子達はご満悦。
帰りのエレベータ前にはたくさんのお姉さん、いやお兄さん、いやニューハー
フ達。「ありがとうございました〜また来てねぇぇぇぇ、チュ」。
エレベータが閉まり、息子達はニヤニヤニヤニヤニヤニヤ。
あんまり嬉しそうにしてるからなにやら悔しくなって僕は言ったった。「お前
らなあ、なんか嬉しそうだけど、彼女達、いや彼ら達、いや、・・・とにかく
女じゃないんだよっ、わかってるよな!?」。こうして僕は親の威厳を示した
のでした。ちゃんちゃん。
はい、最後まで読んでいただいたあなた。あなたは自分に余裕のある方でござ
いますのよ。おっほっほっ。
イラスト:福田泰孝(ふくだやすたか)
大阪在住のグラフィク・デザイナー/イラストレーター。
『悲惨な状況を爆笑のネタへと昇華する』才能とセンスの持ち主。
彼のいる空間では笑いが絶えることはない。通称『福ちゃん』。
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