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「もう辞めてしまおうかな」とトボトボと訪ねたハローワークのWEBサイトで
たまたま見つけたコンサルタントの求人。
このご時勢に求人を出すコンサルティング会社とは一体どんな仕事をしている
のだろうと求人票を見て会社のホームページにアクセスしてみた。どうやら公
共部門関係のコンサルティングを専門に扱っているようだった。しかし、それ
よりも目を引いたのは採用情報で正社員と同時に契約コンサルタントを募集し
ている点だった。
下請けという選択は考えたことがなかった。何となく仕事もないのにコンサル
タントの頭数だけ揃えてその会社の営業上の触れ込みに利用されるだけのよう
なイメージがあったからだ。
しかし応募の締切日が明記されており、選考もあってちゃんとした募集を偶然
見つけたようにも見えなくはない。少し気になったものの保留することにした。
それよりも肝心なのはこれからどうするかだ。
冷静に見て追い風のビジネスか?NOだ。
ではその中で何か革新的なアイデアはあるか?それもNOだ。
どうやら続けられない理由は山ほどありそうだ。これまでの市場の評価を受け
入れて身を引くべきか。
しかし、いざ辞めることを真剣に考えると客観的な状況判断よりも「諦めるの
はもったいなくないか?」という思いが湧き上がってきた。
起業に挑戦できるチャンスなんてなかなかあるものではない。確かに安定は望
めそうもない。しかし、勤務時間も休日も自由だ。何よりも自分で自分の仕事
の品質を決めることができる。自分の最も得意なことで人の役に立てる可能性
がある。
もう少し自分に問いかけてみる。出来ることは全てやったか?NO。もしここで
諦めなければ仕事を続けていけると予めわかっているならば続けるか?それは
YESだ!
決めた。今年1年は何としても続ける。下請けだろうが何だろうが(なるべく)
何でもやってとにかく継続を目標にする。
大体潔く諦めるだと?ありえない。土俵際でジタバタするのはいつものお約束
のパターンではないか。そうと決まればいろいろチャレンジしなければ。と、
その前にこの記念すべき決断をした日は疲れたのでお休みにすることにした。
さっそく契約コンサルタントへ応募してみよう。
説明会にいってみると委託先を募集している意図がよくわかった。
ピーク対応だ。つまり季節性のある仕事で、さらに案件が増加傾向なのでピー
ク時に社内人材だけでは対応しきれないので一定割合を外注しているのだ。
また、コンサルティングの品質を維持するために事前に計画的な研修を実施し、
事例研究会もあるという。
さらに外注先に一定程度の仕事を割当てる方針のようだ。これはなかなか信頼
できる会社ではないか。
仕事内容は経験のない分野だったが面白そうだ。あとは論文形式の選考課題だ
が、それには自信があった。何せ時間は山ほどある。自分自身に業務命令を出
して集中対策期間を設定、課題を提出した。
結果無事選考を通過した。久しぶりに前向きなニュースだ。うまくいけば経営
基盤が少し安定するかもしれない。こうなると俄然やる気がわいてくる。辞め
ようと思っていた気持ちなどどこ吹く風だ。
しかし、肝心なのは事業の柱を作れるかどうかだ。待っていても仕事は来ない
から、営業をかけて自分の持ち味を活かせる場面で顧客の選択肢に入る可能性
を作っていかなければいけない。そんな場面が本当にあるのかどうか、あるい
は見つけられるのかどうか分からない。だからこそチャレンジして検証するの
だ。派手なビジネスチャンスでなくて良い。一人の新人がチャンスを与えられ
る位の隙間を何とか見つけるのだ。
そこで次に、飛び込み営業用の資料作成に取り掛かった。先月営業コンサルテ
ィングに関する資料送付の電話営業をテストしたものの、その前に資料自体ま
だ作っていなかったのだ。このやり方だと受け取りを承認される確率は非常に
低いが、少なくとも資料を見ても良いと考えている人にだけ受け取ってもらう
ことができる。逆にいうと無作為に資料を送っても、それくらい即ゴミ箱行き
になるということだ。
そして、その資料には顧客との架け橋としての役割が託されることになるのだ
が、まさか事務所案内のような当たり障りのないものを送るわけにはいくまい。
理想的なのは、営業力強化のために当事務所のコンサルティングを検討するき
っかけとなるような資料だ。
しかし、顧客との信頼関係がない中で、そんな夢のような資料を作成するのは
難しい。それならば、せめて当事務所の利用が営業強化のための一つの選択肢
として認識されるような内容にしたい。だが、それでさえ一体どんなものなの
か皆目検討が付かない。
そこでとにかく書いてみることにした。
熱い思いと志が伝わる内容にしよう。いや、ここはなるべく字を減らし、絵を
多用して、読み手にフレンドリーな方がいいのでは。それとももっと分野を絞
るべきか。
「営業改革プログラムのご提案」「営業力強化支援サービス提案書」「新規開
拓コンサルティングのご提案」。あれこれ思案しているうちにいろいろなコン
セプトの企画書ができるものの、どれもしっくりこない。確かに気合は入って
いる。でも何か違う。
もう少し資料請求した顧客の立場になって想像してみる。
良く分からない業者から送られてきたこの長い資料を目の前にしてページを開
ける気になるか?ならない。なぜだ?それは、私にとってひとまず「お前が誰
か」ということは重要ではないからだ。私にとって今関心があるのは「どうや
って営業を強化するか?」だ。
そんなことを考えながら試行錯誤しているうちに、どのようなコンサルティン
グをやるかではなく、どうやって営業を強化するかということをテーマにした
資料が出来た。
「営業の見える化と営業改善原則を使った営業力強化法について」
という仰々しいタイトルで、25ページを超えるという何ともまあ非常識的なも
のになった。
これがはたしてどんな顧客にどれ位役に立つものか全く分からない。
ただ一点、資料を受け取ってくれた顧客に何か少しでも役に立つものを届けよ
うという姿勢だけはそんなに間違ってはいない気がした。
とはいえ、こんなんで本当に大丈夫かよと不審に思いながらも、再び本格的に
営業に着手することにした。
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